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ゴルフツアーのWEB広告を掲出
~効果最大化へランディングページ構成を模索

活用した支援メニュー(最新版)
アドバイザーを活用した観光事業者支援事業 (令和6年度)

事業者情報

企業名
株式会社ボックスツアー
所在地
東京都新宿区新宿4-3-15 レイフラットB館2F
HP
制作したLPのひとつ

 新宿駅近くのインドアゴルフ練習場を拠点に、一人でも参加できるゴルフの日帰りバスツアーを毎日提供する株式会社ボックスツアー。車を持たない首都圏のゴルファーから静かな人気を集めている。
 同社は2022~23年にかけて「アドバイザーを活用した観光事業者支援事業補助金」を活用し、WEB広告を掲出した。また、新たなランディングページ(以下、LP)を制作してユーザーの傾向を分析し、効果的なページ構成などの知見を得た。

<補助金・事業を利用したきっかけ>
自作WEBサイトやページに限界 ブラッシュアップへ補助金

 ツアーの拠点となっているのは、2008年にオープンした日本初のシミュレーター付きインドア練習場だ。こちらも同社代表取締役の日向敏之さんが経営する。
 多くのゴルフコースは電車ではアクセスしにくい郊外にあり、車で来場することが前提になっている。「せっかく練習場で練習しても、車を持っておらずラウンドへ行けない」という常連客が多かったことから、練習場を拠点にバスツアーを催すようになった。スムーズな催行のために総合旅行業務取扱管理者の資格を取得し、2017年にはゴルフツアー専門の同社を設立した。提携ゴルフ場は50カ所にのぼり、前日夜まで申し込みできる手軽さと、申込がたとえ一人でも必ず催行(ゴルフ場がクローズの場合を除く)する安心感が売りだ。ツアーの参加者には参加費の他に500円を支払って練習場の会員になってもらうシステムで、会員は3万人を超えた。
 補助金の存在を知ったのは2022年6月ごろ。コロナ禍による売り上げ減少をきっかけに、活用できる補助金を探していた際に見つけたという。同社のサイトやツアーPRのための広告、LPなどはすべて日向さんが手がけてきたが、新規顧客をさらに効率的に集客できるようブラッシュアップの必要性を感じていたため、同補助金を活用することにした。

<補助金・事業を活用した取り組み>
広告効率アップへLPを複数制作

制作したLPのひとつ

 同補助金は申請に先立ち、専門家から助言を受け、申請事業について内容を固める必要がある。無料で最大5回まで専門家から助言を受けられる東京観光産業アドバイザー派遣制度を併用し、WEBマーケターの派遣を申請。対面で実施した初回のアドバイスでは、効果的なWEBマーケティングのために2つの助言を受けた。新規顧客の開拓へ向けてリスティング広告(検索エンジンで特定のキーワードを検索すると、連動して表示される広告)を出稿することと、新たにLPを複数制作してアクセス傾向を解析すべきという内容だった。実現へ向け、同補助金を申請した。
 出稿したリスティング広告から流入したユーザーを、ツアー申込まで効果的に誘導できるページ構成を模索するため、レイアウトや文字色、動画の長さなどを少しずつ変えた複数のパターンのLPを用意した。ランダムに表示させてアクセス傾向を解析し、申し込みに至った人が少ないパターンを落としていく作業を1~2週間単位で繰り返すことで、LPをブラッシュアップ。広告の効果を最大化することができた。

概算費用

WEB広告出稿費用など総事業費299万円のうち対象経費290万円
補助金 200万円

補助金・事業の活用スケジュール

アドバイザーからの助言を受ける※:2022年9月上旬
申請:2022年9月下旬
交付決定:2022年10月
2回目のアドバイス※:2023年1月
実績報告提出:2023年2月
額確定:2023年2月
補助金受取:2023年3月

※東京観光産業アドバイザー派遣制度

<効果>
広告効率アップ 「思い切った実験ができた」

   株式会社ボックスツアー
   日向敏之 代表取締役

 WEBリスティング広告は1クリックごとに料金が発生するため、アクセス結果を比較検討するだけのデータを集めるためには大きな費用がかかる。約300万円の予算を3カ月ほどで使い切り、今回の事業は終了した。
 今回の補助金を活用した事業を実施する以前も新規顧客を手堅く獲得してきたことから、日向さんは「失敗したときのことを考えると、それなりに結果が出ているものを変えるのは怖い。補助金がなければできなかったトライアルだった」と振り返る。
 また、アドバイザーからの助言の一環として、アクセス解析ツールの使い方のレクチャーも受けた。広告をクリックしたユーザーの属性や、どんな検索ワードから流入してきたのかといったデータを把握するために必要なもので、ページのソースに特定のタグを埋め込んで使う。使い方を知ったことで、補助金の交付後も自力でWEB広告のブラッシュアップしていけるようになった。
 今回の事業によって、新規顧客を一人獲得するためにかかる広告費が減り、広告予算の効率が上がった。教わったスキルを今後のマーケティングにも活かしていきたいという。